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バージョン: 19

コマンドライン・インターフェース

macOS のターミナルまたは Windows のコンソールを使用して、コマンドラインによる 4Dアプリケーション (4D および 4D Server) の起動ができます。 この機能により、以下のことが可能になります:

  • リモートからのデータベース起動。これは特に Webサーバーとして動作する 4D の管理に便利です。
  • アプリケーションの自動テストの実行

基本情報

4Dアプリケーションのコマンドラインは、macOS のターミナルまたは Windows のコンソールで実行できます。

  • macOS では、open コマンドを使用します。
  • Windows では、引数を直接渡すことができます。

macOS でも、パッケージ内のアプリケーションがあるフォルダー (Contents/MacOS パス) に移動することによって、引数を直接渡すことができ、エラーストリーム (stderr) にアクセスできるようになります。 たとえば、4Dパッケージが MyFolder フォルダーにある場合、次のようにコマンドラインを書く必要があります: /MyFolder/4D.app/Contents/MacOS/4D。 しかしながら、エラーストリーム(stderr) にアクセスする必要がない場合には、open コマンドの使用が推奨されます。

4Dアプリケーションの起動

ここでは、4Dアプリケーションを起動するためのコマンドラインとサポートされている引数について説明します。

シンタックス:

<applicationPath> [--version] [--help] [--project] [<projectPath | packagePath | 4dlinkPath> [--data <dataPath>]]
[--opening-mode interpreted | compiled] [--create-data] [--user-param <user string>] [--headless] [--dataless]
[--webadmin-settings-file] [--webadmin-access-key] [--webadmin-auto-start] [--webadmin-store-settings]
引数説明
applicationPath4D、4D Server、または組み込みアプリケーションへのパス。アプリケーションを起動します。 4Dアプリケーションをダブルクリックするのと同じ動作をします。 ストラクチャーファイルを指定する引数なしで呼び出された場合、アプリケーションが実行され、データベースを選択するためのダイアログボックスが表示されます。
--versionアプリケーションのバージョンを表示して終了します。
--helpヘルプを表示して終了します。 代替引数: -?, -h
--projectprojectPath | packagePath | 4dlinkPathカレントデータファイルを開くプロジェクトファイル。 ダイアログボックスは表示されません。
--datadataPath指定されたプロジェクトファイルで開くデータファイル。 指定しない場合、4D は最後に開いたデータファイルを使用します。
--opening-modeinterpreted | compiledデータベースをインタープリタモードまたはコンパイルモードで開くように指示します。 指定のモードが利用できない場合でも、エラーは発生しません。
--create-data有効なデータファイルが見つからない場合、新しいデータファイルを自動的に作成します。 ダイアログボックスは表示されません。 "-data" 引数で渡されたファイルがあれば、4D はそれを使用します (同じ名前のファイルが既に存在する場合にはエラーが生成されます)。
--user-paramカスタムのユーザー文字列Get database parameter コマンドを通して 4Dアプリケーションで利用可能な任意の文字列 (ただし文字列は予約文字である "-" から始まってはいけません)。
--headless4D、4D Server、または組み込みアプリケーションをインターフェースなし (ヘッドレスモード) で起動します。 このモードでは:
  • デザインモードは使えません。データベースはアプリケーションモードで起動します。
  • ツールバー、メニューバー、MDI ウィンドウやスプラッシュスクリーンは表示されません。
  • Dock またはタスクバーにはアイコンは表示されません。
  • 開かれたデータベースは、"最近使用したデータベース" メニューに登録されません。
  • 4D診断ファイルの記録が自動的に開始されます (SET DATABASE PARAMETER、値79 参照)
  • ダイアログボックスへのコールはすべてインターセプトされ、自動的にレスポンスが返されます (例: ALERT コマンドの場合は OK、エラーダイアログの場合は Abort など)。 インターセプトされたコマンド (*) は、診断ファイルに記録されます。

  • 保守上の理由から、LOG EVENT コマンドを使用して任意のテキストを標準の出力ストリームに送ることができます。 ヘッドレスモードの 4Dアプリケーションは、QUIT 4D を呼び出すか OSタスクマネージャーを使用することでしか終了できない点に注意が必要です。
    --dataless4D、4D Server、または組み込みアプリケーションをデータレスモードで起動します。 データレスモードは、4D がデータを必要としないタスク (プロジェクトのコンパイルなど) を実行する場合に便利です。 このモードでは:
  • コマンドラインや .4DLink ファイルで指定されていても、また CREATE DATA FILEOPEN DATA FILE コマンドを使用していても、データを含むファイルは開かれません。
  • データを操作するコマンドはエラーを生成します。 たとえば、CREATE RECORD は "このコマンドの対象となるテーブルがありません" というエラーを生成します。

  • 注記:
  • コマンドラインで引数が渡された場合、アプリケーションを終了しない限り、4D で開かれているすべてのデータベースにデータレスモードが適用されます。
  • .4DLink ファイルを使って引数が渡された場合には、データレスモードは .4DLink ファイルで指定されたデータベースにのみ適用されます。 .4DLink ファイルの詳細については、プロジェクトを開く (その他の方法) を参照ください。
  • --webadmin-settings-fileファイルパスWebAdmin Webサーバー 用のカスタム WebAdmin .4DSettings ファイルのパス
    --webadmin-access-keyTextWebAdmin Webサーバー 用のアクセスキー
    --webadmin-auto-startBooleanWebAdmin Webサーバー 用の自動スタートアップ設定の状態
    --webadmin-store-settingsアクセスキーと自動スタートアップパラメーターを、現在使用している設定ファイル (デフォルトの WebAdmin.4DSettings ファイル、または --webadmin-settings-path パラメーターで指定されたカスタムファイル) に保存します。 必要に応じて --webadmin-store-settings 引数を使用して、これらの設定を保存します。
    (*) 一部のダイアログはデータベースを開く前に表示されるため、

    診断ログファイル に記録することができません (ライセンス警告、変換ダイアログ、データベース選択、データファイル選択)。 このような場合、エラーストリーム (stderr) とシステムのイベントログにエラーが投げられ、アプリケーションが終了します。

    例題

    ユーザーのカレントフォルダーは、macOS では "~" コマンドを、Windows では "%HOMEPATH%" コマンドを使用することで取得することができます。

    デスクトップ上に置かれた 4Dアプリケーションの起動:

    • macOS:
    open ~/Desktop/4D.app
    open "~/Desktop/4D Server.app"
    • Windows:
    %HOMEPATH%\Desktop\4D\4D.exe
    %HOMEPATH%\Desktop\"4D Server.exe"

    macOS上でパッケージファイルを開く:

    --args ~/Documents/myDB.4dbase

    プロジェクトファイルを開く:

    • macOS:
    --args ~/Documents/myProj/Project/myProj.4DProject
    • Windows:
    %HOMEPATH%\Documents\myProj\Project\myProj.4DProject

    データファイルを指定してプロジェクトファイルを開く:

    • macOS:
    --args --project ~/Documents/myProj/Project/myProj.4DProject --data ~/Documents/data/myData.4DD
    • Windows:
    --project %HOMEPATH%\Documents\myProj\Project\myProj.4DProject --data %HOMEPATH%\Documents\data\myData.4DD
    または:
    /project %HOMEPATH%\Documents\myProj\Project\myProj.4DProject /data %HOMEPATH%\Documents\data\myData.4DD

    .4DLink ファイルを開く:

    • macOS:
    ~/Desktop/MyDatabase.4DLink
    • Windows:
    %HOMEPATH%\Desktop\MyDatabase.4DLink

    コンパイルモードで起動し、データファイルが利用できない場合には作成する:

    • macOS:
    ~/Documents/myBase.4dbase --args --opening-mode compiled --create-data true
    • Windows:
    %HOMEPATH%\Documents\myBase.4dbase\myDB.4db --opening-mode compiled --create-data true

    データファイルを指定してプロジェクトファイルを開き、ユーザー引数として文字列を渡す:

    • macOS:
    --args --project ~/Documents/myProj/Project/myProj.4DProject --data ~/Documents/data/myData.4DD --user-param "Hello world"
    • Windows:
    --project %HOMEPATH%\Documents\myProj\Project\myProj.4DProject --data %HOMEPATH%\Documents\data\myData.4DD --user-param "Hello world"

    インターフェースなしで起動する (ヘッドレスモード):

    • macOS:
    --args --project ~/Documents/myProj/Project/myProj.4DProject --data ~/Documents/data/myData.4DD --headless  
    • Windows:
    --project %HOMEPATH%\Documents\myProj\Project\myProj.4DProject --data %HOMEPATH%\Documents\data\myData.4DD --headless