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バージョン: v19

はじめに

この章は、データベースのデータを扱う 4D Webサイトをゼロから作成する方法を知りたい、初心者ユーザーを対象としています。 さあ、始めましょう!

Hello World 例題

まずは、Webサーバーからブラウザーに向けて "Hello World" を送信するところから始めましょう。 もっとも簡単な方法は、プロジェクトを作成して Webサーバーを開始し、On Web Connection データベースメソッドにテキストを返す短いコードを書くことです。

Webサーバーの開始

4D Webサーバーを開始するには:

  1. 4Dアプリケーションを起動し、新規プロジェクトを作成します。
  2. 上部の 実行 メニューから、Webサーバー開始 を選択します。

これだけです。 Webサーバーが開始します (メニュー項目が Webサーバー停止 に変わったのが確認できます)。 これでリクエストを処理できるようになりました。 確認のため、デフォルトホームページを表示してみましょう。

デフォルトホームページの表示

4D Webサーバーは、Projectフォルダーと同じ階層に作成されたデフォルトの WebFolder ルートフォルダーに、デフォルトの index.html ページを自動的に作成します。

  1. Webブラウザーを起動し、Webサーバーの IPアドレス (4D Webサーバーのデフォルト httpポートは 80) に接続します。 Webサーバーとブラウザーが同じマシンにある場合は、実行 メニューから Webサーバーテスト を選択します。

デフォルトのホームページが表示されます:

Hello World の表示

  1. エクスプローラーを開いてデータベースメソッドの一覧を表示し、On Web Connection をダブルクリックします。

  2. 次のコードを入力します:

Case of 
: ($1="/hello")
WEB SEND TEXT("Hello World!")
Else
// 404エラーなど
End case

On Web Connection データベースメソッドは、受信リクエストに対して呼び出され、ターゲットURLを引数として $1 に受け取ります。 この非常にシンプルなコードは、ただテキストをブラウザーに送信します。

  1. ブラウザーで次の URL を入力します:
http://localhost/hello

Webサーバーがリクエストを処理して次を返します:

データベースのデータを取得する

次に、データベースからデータを取得するのが、いかに簡単か見てみましょう。 まず、テーブルを作成し、そこにデータを入力していきます。

たとえば、数件のレコードを含む 1つのテーブルを持つ基本的なデータベースを作成します:

ページへのデータ表示

データを表示するもっとも簡単な方法は、タグを含む テンプレートページ を呼び出すことです。

  1. 任意のテキストエディターを使用して、以下の行を格納するファイルを作成します:
<html>
<body>
<!--#4DCODE ALL RECORDS([Friends])-->
<!--#4DLOOP [Friends]-->
<!--#4DTEXT [Friends]lastName--> <!--#4DTEXT [Friends]firstName--><br/>
<!--#4DENDLOOP-->
</body>
</html>
  1. ファイル名を "friends.shtml" とし、プロジェクトの WebFolder に保存します。
  2. ブラウザーで次の URL を入力します:
http://localhost/friends.shtml

.shtml のページは、Webサーバーによって自動的に処理されます。 データを表示するページが返されます:

RESTリクエスト

データを 表示 するだけでなく、使用 するには、ORDA と RESTサーバーを使うことができます。 ORDAコンセプト により、Friends テーブルは自動的にデータクラスにマッピングされ、REST を通じて利用可能です。

  1. RESTサーバーを使ってデータにアクセスしましょう: "ストラクチャー設定" ダイアログボックスで "Web/RESTリソース" ページを選択し、RESTサーバーとして公開 オプションをチェックします。

  1. ブラウザーで次の URL を入力します:
http://localhost/rest/$catalog

Webサーバーは結果を JSON で返します:

{
"__UNIQID": "3F1B6ACFFE12B64493629AD76011922D",
"dataClasses": [
{
"name": "Friends",
"uri": "/rest/$catalog/Friends",
"dataURI": "/rest/Friends"
}
]
}

カタログ、つまりデータストアで公開されているデータクラスと属性のリストが取得されます。

任意のデータを取得することもできます。

  1. 以下のURLを入力します:
http://localhost/rest/Friends

サーバーは、Friendsデータクラスのエンティティ、つまりデータを返します:

{
"__DATACLASS": "Friends",
"__entityModel": "Friends",
"__GlobalStamp": 0,
"__COUNT": 4,
"__FIRST": 0,
"__ENTITIES": [
{
"__KEY": "1",
"__TIMESTAMP": "2020-10-27T14:29:01.914Z",
"__STAMP": 1,
"ID": 1,
"lastName": "Smith",
"firstName": "John"
},
{
"__KEY": "2",
"__TIMESTAMP": "2020-10-27T14:29:16.035Z",
"__STAMP": 1,
"ID": 2,
"lastName": "Brown",
"firstName": "Danny"
},
{
"__KEY": "3",
"__TIMESTAMP": "2020-10-27T14:29:43.945Z",
"__STAMP": 1,
"ID": 3,
"lastName": "Purple",
"firstName": "Mark"
},
{
"__KEY": "4",
"__TIMESTAMP": "2020-10-27T14:34:58.457Z",
"__STAMP": 1,
"ID": 4,
"lastName": "Dupont",
"firstName": "Jenny"
}
],
"__SENT": 4
}

この非常にシンプルな例では、Webサーバーが RESTサーバー と透過的に通信し、要求されたデータが公開されていればそれを返す様子を示しています。 返されたデータは、Webインターフェース内で javascript や html のコードと簡単に結びつけることができます。 データクラスにバインドされている、洗練された Webインターフェースの例として、ビルトインの Webデータエクスプローラー を参照ください。

ログインとセッション

上の例で Webリクエストは、アプリケーションへの自由なアクセスを得ています。 しかし、Webアプリケーションの世界では、データアクセスのセキュリティが最優先されます。 4D Webサーバーに接続する際には、ユーザーを認証し、そのナビゲーションを制御する必要があります。

ユーザーテーブルの作成

4D Webサーバーにユーザーをログインさせる、もっともシンプルで安全な方法は、以下のシナリオに基づきます:

  • ユーザーは、専用の非公開テーブル (例: WebUsers) に保存されます。
  • 暗号化 することも可能な WebUsers テーブルには、ユーザーのログイン名とパスワードのハッシュが保存されています。
  1. いくつかのフィールドを持つテーブルを作成します。たとえば:

  1. 以下のコードを実行し、ユーザーを作成します:
var $webUser : cs.WebUsersEntity

$webUser:=ds.WebUsers.new()
$webUser.firstName:="John"
$webUser.lastName:="Doe"
// パスワードはユーザーが自身で入力します
$webUser.password:=Generate password hash("123")
$webUser.userId:="john@4d.com"
$webUser.save()

ユーザー認証

通信が安全であるためには、接続は https で確立されている必要があります。

  1. エクスプローラーを開き、"login" というプロジェクトメソッドを作成します。

  2. 以下のコードを書きます:

var $indexUserId; $indexPassword : Integer
var $userId; $password : Text
var $user; $info : Object
ARRAY TEXT($anames; 0)
ARRAY TEXT($avalues; 0)

// リクエストヘッダーにて送信された値を取得します
WEB GET VARIABLES($anames; $avalues)

// ヘッダーのログインフィールドを探します
$indexUserId:=Find in array($anames; "userId")
$userId:=$avalues{$indexUserId}
$indexPassword:=Find in array($anames; "password")
$password:=$avalues{$indexPassword}

// 入力された名前のユーザーを users テーブルで探します
$user:=ds.WebUsers.query("userId = :1"; $userId).first()

If ($user#Null) // ユーザーが見つかった場合
// パスワードを確認します
If (Verify password hash($password; $user.password))
// パスワードがOKであれば、セッションに登録します
$info:=New object()
$info.userName:=$user.firstName+" "+$user.lastName
Session.setPrivileges($info)
// ユーザーセッションを使って任意の情報を保存できます
WEB SEND TEXT("Welcome "+Session.userName)
Else
WEB SEND TEXT("Wrong user name or password.")
End if
Else
WEB SEND TEXT("Wrong user name or password.")
End if
  1. コードエディターの [i] ボタンでメソッドプロパティを表示し、4DタグとURL(4DACTION...) オプションにチェックを入れて OK をクリックします。

  1. ブラウザーで次の URL を入力します:
http://localhost/4DACTION/login/?userID=john@4d.com&password=123

このような URL の使用は推奨されませんが、ここでは例を簡単にするために使っています。 より現実的なログインリクエストは、Webフォームと POSTリクエストで処理する必要があります。 フォームの POST の例は、このページ を参照ください。

すると、そのセッションでログインされます:

間違ったログイン情報は拒否されます:

ユーザーがログインすると、WEB Get Current Session ID メソッドを使って、関連するセッションを処理することができます。 ユーザーセッション のページを参照ください。