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バージョン: v20 R4 BETA

ユーザー設定

4Dでは、プロジェクトの設定について 2つの運用モードが提供されています:

  • 標準 モード:すべての 設定 は、プロジェクトレベルの settings.4DSettings ファイルに保存され、すべてのケースに適用されます。 これはデフォルトのモードで、開発段階 (すべてのアプリケーション) に適しています。

  • ユーザー設定 モード:カスタム設定の一部は、Settingsフォルダー (すべてのデータファイル用)、または Dataフォルダー (特定のデータファイル用) に置かれた settings.4DSettings ファイルに保存され、ストラクチャー設定の代わりに使用されます。 このモードは、デスクトップアプリケーションの運用段階に適しています。 このモードは、設定の セキュリティページ にあるオプションを使用して有効にします。

ユーザー設定を定義することで、4D アプリケーションを更新しても、カスタム設定を保持できるようになります。あるいは、異なる場所に展開する同じアプリケーションに対し、異なる設定を適用することが可能になります。 また、設定ファイルの内容は XML で記述されるため、プログラムによる設定の管理もできるようになります。

4D は 2種類のユーザー設定を生成し使用することができます:

  • ユーザー設定: これらのユーザー設定は、アプリケーションでどのデータファイルを開いたかにかかわらず、ストラクチャー設定の代わりに使用されます。
  • データファイル用のユーザー設定: これらのユーザー設定は、アプリケーションで使用される各データファイルに対してそれぞれ関連づけられており、たとえばサーバーキャッシュのポートID などを設定します。

このオプションを使用すると、それぞれが異なる設定を持つデータファイルを複数使用する同じデスクトップアプリケーションのコピーを複数配布したりアップデートしたりすることが容易になります。

以下の設定の場合を考えてみましょう。とあるアプリケーションが複製され、それぞれで異なる設定 (ポートID) を使用します。 このユーザー設定がデータファイルとリンクしていた場合、ポートID を手動で変えることななくアプリケーションをアップデートすることができます:

ユーザー設定の有効化

ユーザー設定を有効にするには、設定セキュリティ外部ファイルのユーザー設定を有効にする オプションを選択します:

このオプションをチェックすると、設定が 3つのダイアログに分けられます:

  • ストラクチャー設定
  • ユーザー設定
  • データファイル用のユーザー設定

これらのダイアログボックスは、デザイン > 設定 メニュー、あるいはツールバーの 設定 ボタンからアクセスできます:

これらのダイアログボックスは、OPEN SETTINGS WINDOW コマンドに適切な settingsType セレクターを渡して使用することでもアクセスできます。

ストラクチャー設定ダイアログボックスは、標準の設定ダイアログと同じで、そのすべてのプロパティにアクセスできます (これらの設定はユーザー設定によってオーバーライドできます)。

ユーザー設定とデータファイル用のユーザー設定

ユーザー設定データファイル用のユーザー設定 ダイアログボックスには、すべてのデータファイルまたは 1つのデータファイルに対して定義できる関連プロパティが含まれています:

ユーザー設定 および データファイル用のユーザー設定 ダイアログボックスに含まれる設定ページのリストと、標準設定との主な違いを以下の表にまとめます:

ストラクチャー設定のページユーザー設定のページデータファイル用のユーザー設定のページ
一般ページN/aN/a
インターフェースページ標準設定と同じ標準設定と同じ
コンパイラーページN/aN/a
データベース/データストレージページN/aN/a
データベース/メモリページ標準設定と同じ標準設定と同じ
バックアップ/スケジューラーページN/a標準設定と同じ
バックアップ/設定ページN/a標準設定と同じ
バックアップ/バックアップ&復旧ページN/a標準設定と同じ
クライアント-サーバー/ネットワークオプションページ標準設定と同じ標準設定と同じ
クライアント-サーバー/IP設定ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
Web/設定ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
Web/オプション (I) ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
Web/オプション (II) ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
Web/ログ (タイプ) ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
Web/ログ (バックアップ) ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
Web/Webサービスページメソッドプリフィクスオプションは使用不可メソッドプリフィクスオプションは使用不可
SQL ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
PHP ページ標準設定と同じ標準設定と同じ
セキュリティページN/aN/a
互換性ページN/aN/a

このダイアログボックスの設定を編集した場合、それらの変更は対応する settings.4DSettings ファイル (後述参照) または、Backup.4DSettings ファイル (詳細は バックアップ設定 ページ参照) に自動的に保存されます。

SET DATABASE PARAMETER とユーザー設定

ユーザー設定の一部は SET DATABASE PARAMETER コマンドでも利用可能です。 ユーザー設定は、2セッション間で設定を保持 プロパティが Yes になっているパラメーターです。

ユーザー設定 機能が有効化されている場合、SET DATABASE PARAMETER コマンドで編集されたユーザー設定はデータファイル用のユーザー設定に自動的に保存されます。

Table sequence number は例外です。この設定値は常にデータファイル自身に保存されます。

settings.4DSettings ファイル

データベース設定において 外部ファイルのユーザー設定を有効にするオプションをチェックした場合、ユーザー設定ファイルは自動的に作成されます。 これらのファイルの場所は、ユーザー設定の種類に応じて決まります。

ユーザー設定

標準のユーザー設定ファイルは自動的に作成され、以下の場所にある Settingsフォルダー内に保存されます:

ProjectFolder/Settings/settings.4DSettings

ProjectFolder は、プロジェクトストラクチャーファイルが格納されているフォルダーの名前です。

組み込みアプリケーションでは、ユーザー設定ファイルは以下の場所に配置されます:

  • シングルユーザー版の場合: ProjectFolder/Database/Settings/settings.4DSettings
  • クライアント‐サーバー版の場合: ProjectFolder/Server Database/Settings/settings.4DSettings

データファイル用のユーザー設定

データファイルにリンクされているユーザー設定ファイルは自動的に作成され、以下の場所にある Settingsフォルダー内に保存されます:

Data/Settings/settings.4DSettings

Data は、アプリケーションのカレントデータファイルが格納されているフォルダーの名前です。

データファイルがプロジェクトストラクチャーファイルと同階層に位置している場合、ストラクチャー用とデータ用のユーザー設定ファイルは同じ場所の同じファイルを共有します。 データファイル用のユーザー設定... メニューは表示されません。

設定ファイルは XMLファイルであり、4D の XMLコマンドや、XMLエディターを使用して読み込んだり変更したりすることができます。 つまり、特にコンパイルされて 4D Volume Desktop と組み込まれたアプリケーションにおいて、設定内容をプログラムで管理することが可能です。 このファイルをプログラムで編集した場合、変更内容が反映されるのはデータベース再起動後です。

設定の優先順位

設定は 3つの階層に保存することが可能です。 ある階層で定義されたそれぞれの設定は、前のレベルで定義された設定を上書きします (あれば):

優先度名称場所コメント
3 (低)ストラクチャー設定 (あるいは、"ユーザー設定" 機能無効時の設定)Sourcesフォルダー内の settings.4DSettings ファイル (プロジェクトモードデータベースの場合)、またはストラクチャーファイルと同階層にある Settingsフォルダー内 (バイナリーモードデータベースの場合)ユーザー設定が有効化されていない場合の固有の保存位置。 アプリケーションの複製すべてに適用。
2ユーザー設定 (全データファイル)プロジェクトフォルダーと同階層にある Settingsフォルダー内の settings.4DSettings ファイルストラクチャー設定を上書きします。 アプリケーションパッケージ内に保存されます。
1 (高)ユーザー設定 (カレントデータファイル)データファイルと同階層にある Settingsフォルダー内の settings.4DSettings ファイルストラクチャー設定とユーザー設定を上書きします。 その設定とリンクされたデータファイルがアプリケーションによって使用されたときにのみ適用。

ユーザー設定ファイルには関連した設定の一部しか含まれない一方、ストラクチャーファイルには、コア設定を含めたカスタム設定がすべて格納されているという点に注意してください。