Collection
コレクションとは、類似または混在した型 (テキスト、数値、日付、オブジェクト、ブール、コレクション、null) の値が順番に並べられたリストです。
コレクション型の変数を扱うには、オブジェクト記法 を使用します。
コレクション要素にアクセスするには、大カッコ内に要素番号を渡します:
collectionRef[expression]
expression には正の整数を返す有効な 4D 式であればどんなものでも渡すことができます。 例:
 myCollection[5]  // コレクションの 6番目の要素にアクセス
 myCollection[$var]
注: コレクション要素は 0番から始まるということに注意してください。
コレクションの要素に値を代入したり、コレクション要素の値を取得したりすることができます:
 myCol[10]:="My new element"
 $myVar:=myCol[0]
コレクションの最後の要素を超える要素番号 (インデックス) を指定した場合、コレクションは自動的にリサイズされ、途中のすべての値には null 値が割り当てられらます:
 var myCol : Collection
 myCol:=New collection("A";"B")
 myCol[5]:="Z"
  //myCol[2]=null
  //myCol[3]=null
  //myCol[4]=null
インスタンス化
コレクションはあらかじめインスタンス化しておく必要があります。 初期化しない場合、要素の取得や変更はシンタックスエラーとなります。
コレクションのインスタンス化は、以下のいずれかの方法でおこなうことができます:
- New collectionコマンドを使用する。
- []演算子を使用する。
いくつかの 4Dコマンドや関数はコレクションを返します。たとえば、 Monitored Activity や collection.copy などです。 この場合、コレクションを明示的にインスタンス化する必要はなく、4Dランゲージが代わりにおこなってくれます。
New collection コマンド
New collection コマンドは、空の、あるいは値の入った新規コレクションを作成し、その参照を返します。
例:
 var $colVar : Collection // コレクション型 4D変数の宣言
 $colVar:=New collection // コレクションのインスタンス化と 4D変数への代入
 var $colFilled : Collection
 $colFilled:=New collection("a";"b";1;42;{}) // 値の入ったコレクションのインスタンス化と変数への代入
[] 演算子
[] 演算子を使って、コレクションリテラル を作成することができます。 コレクションリテラルとは、コレクション要素を表す式が 0個以上含まれたセミコロン区切りのリストを大括弧 [] で囲んだものです。 コレクションリテラルを使ってコレクションを作成すると、指定された値を要素としてインスタンス化され、その長さは指定された要素の数になります。
要素は式とみなされるため、要素に [] を使ってサブコレクションを作成することができます。  また、オブジェクトリテラル を作成し、参照することもできます。
要素が未定義の場合、コレクションにおいては Null となります。
例:
var $col1; $col2; $users : Collection
$col1:=[] // 空のコレクション
$col2:=[1;2;3;4;5;6] // 数値のコレクション
// オブジェクトのコレクション
$users:=[{name: "Alice"; \
	height: 183; \
	eyecolor: "hazel"; \
	id: $col2[5]\
	}; \
	{name: "Bob"; \
	height: 172; \
	eyecolor: "blue"\
	}]
要素を 1つだけ含むコレクションリテラルを作成する場合、既存のテーブル名に対応する文字列を使用することはできません。競合が発生した場合、テーブルシンタックス [tableName] が優先されます。
通常コレクションと共有コレクション
二種類のコレクションを作成することができます:
- New collectionコマンド、またはコレクションリテラルのシンタックス- []を使用して作成する通常 (非共有) コレクション。 通常のコレクションは特別なアクセスコントロールをせずに編集可能ですが、プロセス間で共有することはできません。
- New shared collectionコマンドを使用して作成する共有コレクション。 共有コレクションはプロセス間 (プリエンティブ・スレッド含む) で共有可能なコレクションです。 共有コレクションへのアクセスは- Use...End use構造によって管理されています。
詳細な情報については、共有オブジェクトと共有コレクション を参照ください。
コレクション関数
4D コレクションへの参照は、コレクションの メンバー関数 と呼ばれる特別なクラス関数を利用することができます。 コレクション関数は クラス API リファレンス にまとめられています。
例:
$newCol:=$col.copy() // $col を $newCol にディープ・コピー
$col.push(10;100) // 10 と 100 をコレクションに追加
一部の関数は元のコレクションを変更して返すので、つぎのように連続して呼び出すことが可能です:
 $col:=New collection(5;20)
 $col2:=$col.push(10;100).sort() // $col2=[5,10,20,100]
propertyPath 引数
いくつかのコレクション関数は引数として propertyPath を受け入れます。 この引数は以下のように用いることができます:
- オブジェクトプロパティ名、 例えば "lastName"
- オブジェクトプロパティパス (ドット文字で繋げられたサブプロパティの階層シーケンスなど)。 例: "employee.children.firstName"
警告: 関数に propertyPath 引数を渡す場合、そのプロパティ名には "." (ドット)、"[ ]" (大カッコ)、あるいは " " (スペース) を使えません。これらを使用するとパスを正しく解析できなくなります:
 $vmin:=$col.min("My.special.property") // undefined
 $vmin:=$col.min(["My.special.property"]) // エラー
コレクション演算子
コレクション参照 に対して比較演算子を使用することができます。つまり、2つ以上の参照が同じコレクションのインスタンスを指しているかどうかを評価することができます。
var $c1:=["a";42] // とあるインスタンスへの参照
var $c2:=["a";42] // 異なるインスタンスへの参照
var $c3:=$c1 // 同じインスタンスへの参照
上のコードに基づいて、比較表は次のようになります:
| 演算 | シンタックス | 戻り値 | 式 | 値 | 
|---|---|---|---|---|
| 等しい | collectionRef = collectionRef | Boolean | $c1 = $c3 | true | 
| $c1 = $c2 | false | |||
| 異なる | collectionRef # collectionRef | Boolean | $c1 # $c3 | false | 
| $c1 # $c2 | true | 
未定義
未定義のコレクションの length プロパティは 0 を返します:
     var $c : Collection // 変数は作成されたが、コレクションは未定義
     $size:=$c.length // $size = 0