プリエンプティブWebプロセスの使用
4D Webサーバーを使って、アプリケーションでプリエンプティブWebプロセスを使用することによって、マルチコアコンピューターの利点を最大限引き出すことができます。 4D変換タグや Webデータベースメソッド、ORDA の RESTクラス関数を含めた Web関連コードを、可能な限り多 くのコアで同時に実行するよう設定することが可能です。
4D のプリエンプティブプロセスについての詳細は、プリエンプティブ4Dプロセス の章を参照ください。
Webプロセスにおけるプリエンプティブモードの使用可能状況
実行コンテキストによって、プリエンプティブモードが使用される、または使用可能かを次の表に示します:
4D Server | インタープリター (デバッガー有効) | インタープリター (デバッガー無効) | コンパイル済みコード |
---|---|---|---|
REST サーバー | コオペラティブ | プリエンプティブ | プリエンプティブ |
Web サーバー | コオペラティブ | コオペラティブ | Web設定 |
Webサービスサーバー | コオペラティブ | コオペラティブ | Web設定 |
4Dリモート/シングルユーザー | インタープリターコード | コンパイル済みコード |
---|---|---|
REST サーバー | コオペラティブ | プリエンプティブ |
Web サーバー | コオペラティブ | Web設定 |
Webサービスサーバー | コオペラティブ | Web設定 |
- REST サーバー: REST で呼び出された ORDA データモデルクラス関数 を処理します
- Web サーバー: Web テンプレート、4DACTION とデータベースメソッド を処理します
- Web サービスサーバー: SOAPリクエストを処理します
- Web設定 とは、プリエンプティブモード実行が設定によることを表します:
- スケーラブルセッション が選択されている場合、Webプロセスにおいて プリエンプティブモードが自動的に使用されます。
- それ以外の場合は、プリエンプティブプロセスを使用 オプションが考慮されます。
- Webサービスプロセス (サーバーまたはクライアント) のプリエンプティブモードは、メソッドレベルでサポートされています。 公開済みの SOAPサーバーメソッド (4Dで Web サービスを公開する 参照) あるいはプロキシクライアントメソッド (4Dから Web サービスへサブスクライブす る 参照) の "プリエンプティブプロセスで実行可能" プロパティをチェックし、メソッドがコンパイラーによってスレッドセーフと確認されるようにします。
スレッドセーフなWebサーバーコードの書き方
Webプロセスをプリエンプティモードで実行するには、Webサーバーで実行されるすべての 4Dコードがスレッドセーフでなければなりません。 プリエンプティブモードが有効化 されている場合、アプリケーションの以下の部分が 4Dコンパイラーによって自動的に評価されます:
-
すべての Web関連データベースメソッド:
-
compiler_web
プロジェクトメソッド (実際の "実行モード" プロパティに関わらず評価されます) -
Webコンテキストにおいて
PROCESS 4D TAGS
コマンドによって処理される基本的にすべてのコード (.shtmlページを通して実行されるものなど) -
"公開オプション: 4DタグとURL (
4DACTION
)..." 属性が有効なプロジェクトメソッド。 -
"RESTリソースとして公開" 属性が有効なテーブルのトリガー
-
REST で呼び出された ORDA データモデルクラス関数
これらそれぞれのメソッドとコードの部分について、スレッドセーフのルールが遵守されているかをコンパイラーがチェックし、問題があった場合にはエラーを返します。 スレッドセーフルールについての詳細は、4Dランゲージリファレンス マニュアルの プロセス の章の スレッドセーフなメソッドの書き方 の段落を参照ください。
4D Webコードのスレッドセーフティ
Web関連のほとんどの 4Dコマンドや関数、データベースメソッド、そして URL がスレッドセー フとなり、プリエンプティモードで使用できます。
4Dコマンドとデータベースメソッド
すべての Web関連コマンドはスレッドセーフです:
- Webサーバー テーマの全コマンド
- HTTPクライアント テーマの全コマンド
Web関連のデータベースメソッドもスレッドセーフであり、プリエンプティモードで使用することが可能です (前述参照): On Web Authentication
, On Web Connection
, On REST Authentication
...)。
もちろん、これらのメソッドによって実行されるコードもまたスレッドセーフである必要があります。
WebサーバーURL
以下の 4D WebサーバーURLはスレッドセーフであり、プリエンプティモードで使用可能です:
- 4daction/ (呼び出されるプロジェクトメソッドもまたスレッドセーフでなければいけません)
- 4dcgi/ (呼び出されるデータベースメソッドもまたスレッドセーフでなければいけません)
- 4dwebtest/
- 4dblank/
- 4dstats/
- 4dhtmlstats/
- 4dcacheclear/
- rest/
- 4dimgfield/ (ピクチャーフィールドの Webリクエストに対し
PROCESS 4D TAGS
によっ て生成されます) - 4dimg/ (ピクチャー変数の Webリクエストに対し
PROCESS 4D TAGS
によって生成されます)
プリエンプティブWebプロセスアイコン
ランタイムエクスプローラーと 4D Server管理ウィンドウの両方において、プリエンプティブな Webプロセスに対し専用アイコンが表示されるようになりました:
プロセスタイプ | アイコン |
---|---|
プリエンプティブWebメソッド |